だいたい分かる 日本の子ども虐待

大学の先生になりたかったけど、もう占い師かコラムニストでいいかな。

子ども虐待による死亡事例等の結果報告等について第12次報告の結果から

子ども虐待による死亡事例等の結果報告等について(第12次報告)を読んだ感想について。(過去に別のところで書いたものを基にした文章です。)

www.mhlw.go.jp*1

 

 

件数は心中以外の虐待死の件数が43件(44人)で、予想通り少し増えています。予想通りというのは平成25年度の11次報告での件数があまりにも少なかった、という意味です。
(ところが、心中による虐待死の件数は21件(27人)で、過去最低だった25年度をさらに下回っていて、これはすごいことだと思います。
心中ケースはなかなか比較が難いのでここでは触れません。)


26年度の特徴はなんといっても0歳児死亡事例で、平成26年度中に心中以外の虐待で死亡した44人中の27人が0歳児で、割合は約61.4%となっています。

報告書や報道等ではこれを「最も高い割合となった」と表現していますが、むしろ「0歳児以外の死亡事例の数がとても少ない」と言った方がより実態に則した表現だと思われます。


1次~11次報告までの期間に心中以外の虐待死として集計された全ての子ども582人に対して、0歳児以外は326人、割合としては約56%となります。また、平均するとその人数は1年度あたり29.63人で、12次報告の0歳児以外の死亡児数の少なさ(17人)が際立っていることが分かるかと思います。
(最も件数の少なかった前回11次報告(36事例36人)でも、0歳児以外は20人。ちなみに、0歳児の死亡事例数は偶然の要素も多いんじゃないかと思っています。)
つまり、これまで採られてきた児童相談所を中心とした虐待対策は、少なくとも死亡に至る程の事例に関してはかなり徹底されているんじゃないかと思います(個人の意見です)。虐待の通告があった際に児相が動くという、「保護中心」の児童虐待対応策は、長らく批判に晒されていましたが、近年はある程度の役割を果たすことができていると評価して差し支えないのではないでしょうか。

ただし、今以上に死亡事例を減らしていこうとすると、今ある資源と方法論だけでは限界があるのではないか、とも思われます。虐待死を予防するための多機関間の連携等を進めていく必要があります。
で、疲れたので中途半端に済ませますが、虐待による死亡事例を本気で0にしようとすると下記のような対策が必要になってくるだろうという、筆者が考え付いたお題を投下して終わりにします。
 
医療機関からの積極的な情報提供と要対協への参加。
・司法関与の仕組み作り(いろいろな意味で)
・母子保健事業における虐待予防対策(子育て支援
特別養子縁組制度の活用(赤ちゃん縁組事業)
精神科医療機関との連携の構築
・要対協の運営の効率化
性教育と人権教育の普及
 
適当にいくつか思いつくものを挙げてみましたが、驚くべきことに、厚労省雇用均等・児童家庭局にて平成28年度に立ち上げられた4つくらいの検討会が、上記7項目のうち3つはカバーしています。

また、残るもののうち2つは27年度までに検討会による報告書が出ているし、母子保健の分野については「健やか親子21(第2次)」の中でカバーされています。そのため、個人的に、平成29年度にはもう死亡事例は相当減るんじゃないかな、と楽観的な考えを持っています。

足りてないのは性教育と人権教育の部分のみで、あと司法関与については議論が錯綜しているため、近年中に目に見える効果というのはないだろうなぁ、と思っています。

 

 

*1:2017年2月21日アクセス